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バンドだけでは食べて行けない、PeripheryのギタリストMishaが明かすバンドの現状。

March 16, 2018

プログメタルPeripheryの結成メンバーでギタリストMisha Mansoorがインタビューに答え、Periphery他多くのメタルバンド達の生生しい経済状況を暴露しました。

 

ここ数十年とCDの売り上げがガタ落ちし、それまでCDセールスとライブ活動という二本柱の資金源があったバンド達にとってCDセールスからの賃金が無くなった事は大きな痛手となっており、これまでもこのサイトで幾度となくバンド達の現状を記事にして来ました。

 

今回インタビューに応えたMishaは、現在活動しているロックバンド達は20年前と比べてどうやって活動しているのか、という質問に以下に答えています。


「バンド以外の活動で生計を立てているんだ。僕の場合はシグネチャーギター等で生計を立てているよ。多くの人は ”Peripheryは少しは成功したバンドだろ” と言う、確かに僕らは頑張ってそれなりの実績を作って来たけど、全然お金になってないんだ。そういった裏事情を殆どの人が理解してないよね。確かにバンド活動で利益を得ているけど、利益から活動経費を引いた手取り額は微々たるものなんだ。もう音楽によって出てくるお金の額は本当に少なった、でもツアー費は昔も今も全く変わってないのさ。だから手取り額が減って当たり前なんだよね。

 

そして僕等はツアーやライブを楽しんで行いたいからステージセット等色々と費用が掛かるのさ。先日5週間の欧州ツアーを行ったけど最後は手取り額がゼロだったんだ。欧州ツアーは本当に費用がバカ高いのさ。逆に米国ツアーではそれなりに儲ける事は出来るけど多くのバンドがツアーをやっているから余りツアーをし過ぎてしまうと今度は飽きられてしまうんだ。たまにバンドでマーチの売り上げが他のバンドよりも高いバンドがいて彼等はマーチのセールスで活動しているけど、マーチのセールスも決して長続きする訳ではない。現在多くのダウンロードサイトやストリーミングサービスもバンドの利益を下げている要因だね。

 

という訳で、分かりやすく例えるならこれまで年商100万ドル儲けていたバンドは、現在10マンドルになったのさ。でも10万ドル(約1000万円)だったらまだ普通に生活は出来るよね。でもこれまで年商10万ドルを儲けてきたバンドは現在1万ドルになってしまったんだ。こうなると生活も苦しくなる。僕は今年で33才。僕がまだ20代ならそこらへんのフロアで寝ても構いやしないけど、今ツアーでそれをやるのは正直きついんだよ。そうするともうツアーが楽しくなくなってしまうしね。

 

僕が言いたかった事は現在音楽活動は本当に楽しい趣味的な活動になってきたっていう事なんだよ。でも僕等はこうなる事はバンドを結成した時から予想してきたし悲観的では無いんだ。僕がバンドを結成した時はこんなオタク的なバンドは誰も興味を持たないだろうと思っていた。それ程、このジャンルは理解されていなかったのさ。だから僕は100人がライブに見に来てくれただけでも嬉しいんだ。だから僕も、よし生活に必要なお金を確保する為に何か他にしなくては、バンドは楽しい趣味だしね” と考えるようになったのさ。

 

Peripheryは僕の経済状況にそこまで影響は無いんだ。だから僕としてはバンドは情熱を燃やせるプロジェクトである。もし誰もアルバムを買ってくれなかったらそれでも構わない、バンドがアルバムを押し売りする事は出来ないからね。

 

もうMetallicaの様な商業的な成功は無いんじゃないかな。バンドによってSpotify等のストリーミングサービスで再生回数で儲けているところもあるけどメタルというバンドは依然として小さな市場だけに、このジャンルが変わる事はないだろうね。だから僕等メタルバンドで何億回という再生回数は出ないんじゃないかな。僕的にはこのバンドで活動が出来るというチャンスが与えてもらえているだけで幸せなんだ。そしてこの活動は自由度が大きい。もし僕らがもう欧州にはツアーしないと決めたらしなくても良いからね(笑)。もちろんそんな事はしないよ。

 

でもバンド活動するに当たってもっと綿密な計画を立てるように成った事はあるかな。渡航費や機材費等多くの資料と睨めっこしてどうやったら最低プラスマイナスゼロでツアーが出来るか考えているよ。ファンの人達は ”CDセールスで経済的な打撃を受けているのは分かった、でも俺達の町へはツアーで来て欲しい” となんの考えも無しに言うけど、僕等も計画的に活動していかねばならないんだ。僕等は音楽が好きで集まって名前を売る為に多くの資金をつぎ込んで活動してきた、僕等はそれらを10数年やってきた。今僕等はどんな活動も出来る様になったのさ。いつツアーをしても良いし、どんなライブをするかも自由だ、もしライブをしたくなければしなくても良い。」と現状ではバンド活動が生活費になる事はなく、情熱を燃やせるプロジェクトとして活動するという考え方で自由にやっていくのが一番良いと発言。

 

管理人の勝手な想像ですがPeripheryは所属するSumerianレコードの中でもAsking Alexandriaに次ぐ二番目の稼ぎ頭とみていました。プログメタル界では知らない人のいないPeripheryですが活動から来る利益は少なかった様ですね。Mishaはインタビューで述べてはいませんでしたが5ピースのPeripheryは利益も5等分しなければならないので手取り額は少ないのかもしれません。

 

少し話しは変わりますがバンドは活動費を捻出する為クラウドファンド等のシステムを用いてファンから直接費用を受け取るやり方も近年では目立ってきています。最近ではファンがお金を払ってアーティスト達がプライベートな動画メッセージを送ってくれる(誕生日おめでとう等)サービスや、Patreonというクラウドファンディングプラットフォームが出てきています。特にPatreonはファン(この場合パトロン)から定期的に寄付を募る事が可能で。任意で月固定寄付額を設定し、見返りに動画やマーチ、ライブチケット等パトロンに特典を提供しているサービスです。

 

少し調べたところ、テクニカルデスメタルAllegaeonが2016年にPatreonのキャンペーンを開始し、減ったのか増えたのかは分かりませんが現在242人がパトロンとなりバンドは月に約20万円程儲けています。https://www.patreon.com/allegaeon

 

調べていくと豪州プログメタルNe Obliviscarisは同じく2016年からPatreonのキャンペーンを開始し、こちらは1038人のパトロンが着きナント月約85万円程がバンドに渡っている様です。 https://www.patreon.com/neobliviscaris

 

Ne Obliviscarisは稀にいるクラウドファンドの成功者の様で、All That RemainsのフロントマンPhilも昨年Patreonを始め日はそんなに経って無いですが、現在56人のパトロンに留まっており必ずしもクラウドファンドが成功するとは限らないようです。
https://www.patreon.com/Philthatremains

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