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無罪を勝ち取ったLamb Of GodのRandyが今まで語られる事の無かった裁判の全容を語る

May15, 2013

今年3月、チェコでの裁判で無罪放免になったLamb Of GodのRandyが帰国し自分の生活に戻り、落ち着いた今裁判での全容を説明、またファン、バンド、そして業界に対しライブでの安全対策を見直す様によびかけています。

 

Randy:俺は物心付いた時から「気をつけてね」ーBe Carefulという言葉を良く聞いて来た。俺のお婆さんは92になり今でも元気に暮らしている。おばあさん子だった自分は彼女が何処かに行く度に「気をつけてね」と言っていた。彼女は俺がチェコから無罪を勝ち取って帰国した時、飛行場で待っていてくれた一人だ。92になる彼女は一番前で俺を迎えてくれた、彼女の就寝時間をとっくに過ぎている夜中の12時を回っていた。俺はすぐに彼女を抱きしめてお礼を言ったよ。あの時は感動した。それから俺は頻繁にお婆さんの家に出かけるようになった。彼女との時間を大切にしたいし、なんといっても俺を心の底から心配してくれる人だ。俺は本当にラッキーな男だよ。
チェコでの裁判で、俺と弁護士達はどのようにして裁判官達にLamb Of Godやメタルのライブでのモッシュやクラウドサーフがいかに頻繁に日常的に行われているかを説明するのに苦労した。裁判官達はメタルを知らないし、ライブに行った事も無い人達だ。彼らにしてみればモッシュやステージダイブが馬鹿げた行為に捉えられたであろう。様々なライブのビデオ等を裁判官達に見せて彼らにメタルライブでのあり方を説明するのに一番時間を割いた。それは盲目の人に紫色を説明するぐらい難しかった。俺自身のあり方についても議論がなされた、幾人かの証人達は俺のステージ上で早く歩く様や、俺の唄い方、ただ単に暑かったから水を被っただけなのに酒に酔っていた、ドラッグを服用、そして極めつけは俺を悪魔呼ばわりだ。

そういった中傷の中被害者Danielの家族は実に紳士的に事を見守っていた。彼等は裁判中いつの時でも俺を悪人扱いしなかった。俺を見る彼等の目は悪人を見つめるものでは無かった。彼らはただ息子がどうして死んだのか真実を知りたかった。Danielは父親の誕生日に亡くなったそうだ。母親はその後体調を崩し仕事を辞めた。Danielの家族の事を思うと悲しみが沸いて来た。無罪を言い渡された時、俺は無の表情でいた。一人の自分のファンが死んだのだ、彼の家族は全員病んでいる、俺は無罪を言い渡されても笑う事は出来なかった。裁判後Danielの叔父は帰国する前に会って欲しいと要求してきた。俺は勿論と彼の望みを聞き裁判所を出て直ぐに彼等に会いに行った。俺を待っていたのはDanielの母親と叔父だった。3人共会って涙を流した。彼 等との会話については公開するべきで無いと思っているのですまないがここには書けない。しかし、彼等は俺に2つの約束を守ってほしいと言った。一つは、Danielを思ってライブで唄って欲しい、そしてDanielの様な事が起こらない為にもライブ会場での安全対策を見直す事だった。俺は彼等に約束した。帰り際、叔父は振り返って俺にこう言った「君はセーフなライブ環境を提唱するスポークスマンだ、君にはその力がある、頑張って欲しい。
君の行く道を行くんだ。」彼等が帰った後、俺は彼等の言葉を思い出しながら一人泣きした。
あと数日後、俺は無罪になって初めてLamb Of Godのツアーに出る。このツアーではDanielの家族との約束を必ず守る。
バンドの皆。君達がライブを行うなら必ず会場の安全性を再確認して欲しい。セキュリティは整っているか、バリケードは頑丈か。もしこの二つがチェコでのライブで守られていたらDanielはまだ生きて居ただろう。しかしもう過去には戻れない。だからバンド諸君、しっかりと会場側が君達の提示したセキュリティー上の契約を守っているか確認して欲しい。
クラブのオーナーやマネージャー。会場内での警備員の数をケチらないで欲しい。彼等はバンド、ファン、そして君達のビジネスを守るんだ。会場内で死者が出たら間違いなく君達のビジネスは終わるだろう。会場内でのバリケードを定期的に点検しバンドやファンが安心して 楽しめる環境を作って欲しい。
Lamb Of Godファン達。Lamb Of Godではステージに上がる事を堅く禁じている。もし誰かが上ってきたら俺たちは演奏を止めるだろう。そして、上がってきた君は警備員に捕まえられ会場を追放そして返金は無しだ。俺達はただ皆に楽しい時間を過ごして欲しいんだ。決して安価では無いチケットを購入して観に来てくれる他のオーディエンスの事も考えて行動して欲しい。
Lamb Of Godや他のライブに行くオーディエンス。モッシュやクラウドサーフは常に危険を伴う。君達は常に考えてライブを楽しんで欲しい。モッシュがヤバくなったら危険を感じたら直ぐにその場を離れ自分の安全第一に考えて欲しい。またクラウドサーフしている君達も常に危険だ。もし誰かが君を落としたら死ぬこともある事を知ってほしい。そしてモッシュにて誰かが転んだら周りの君達は即転倒した人を助け起こす義務がある。

酒を飲んで周りに迷惑をかける人、君はモッシュに居るべきでない。バーのカウンターで座ってライブを観るんだ。誰も酔っ払いの君を歓迎していないぞ。そして
酒を飲んだ後は必ず運転を控える事。
これまで色々言ってきたが俺は昨年からの裁判でいかに自分達がライブの安 全性を見失っていたか再確認させられた。俺はDanielは知らなかったが、彼はいい奴だったらしい。しかし彼は死んでしまった。
だからもう一度、いや何度でも言おう。Please Please Please ひざを付いてでも言おう「気をつけてね」。

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