Dance Gavin DanceからTilian Pearsonが脱退。
4/15/2024
ポストハードコアDance Gavin Danceにて2012年からヴォーカルを担当したTilian Pearsonが脱退。
TilianはアルバムAcceptance Speech(2013)から最新作Jackpot Juicer(2022)まで6作品をバンドと共に制作。Dance Gavin Dance(以下DGD)の歴代ヴォーカルの中でも最も長く在籍したメンバーであり、今日のDGDの人気の立て役者の一人でもあります。しかし2022年、複数の女性がTilianに対し性的違法行為を受けた事を告発した事でにバンドは一度Tilianの離脱を発表していました。当時バンドは告発を重く受け止め、話し合いの末Tilianを活動から離脱させ専門家に診てもらうと説明。バンドはその後予定していたCoheed And Cambriaとのツアーを降板。そしてその後に予定していたDGDの夏のヘッドライナー米ツアーではTilianのパートを元ヴォーカルKurt Travisとギタリスト兼ヴォーカルAndrew Wellsでカバーする事を発表。同ツアーでは他にもVeil Of MayaのMarc Okuboがギターを担当し、Andrewのもう一つのバンドEidolaやKurtのバンドRoyal Codaで共に活動するSergio Medinaをベースに付けて行っていました。そして同年の11月にTilianはDGDに復帰。その際DGDは「バンドは常に贖罪を信じ立ち上がれるグループであり、Tilianが長年苦しんだ問題に取り組み、克服する為に懸命に努力している姿をみてきた。バンドは彼の進歩を誇りに思い、復帰を歓迎する」と発表していました。2023年にはDGDは日本のSiMそしてRain City DriveやWithin Destructionを入れたヘッドラインツアーを行いバンド主催のSWANFESTも東海岸にて開催しました。
Tilianが復帰したDGDの今後の活動と新たな作品に期待が高まる中、今日DGDとTilianは以下に発表。
Dance Gavin Dance
「Dance Gavin Danceは常に内部で状況を修正しようとしてきた。しかし、熟考を重ねた結果、私達は長年のメンバーであり友人Tilianに別れを告げることにしました。私達は彼の幸運を祈るとともに、彼の音楽と人生における今後の活動に対しサポートと敬意を表します。私達はTilianのDance Gavin Danceにおける長年の友情と貢献に感謝しています。人が成長し、変化するにつれ、創造性の違いが生じ、人生の道筋や目標が一致しなくなることがあります。
私達はこの20年に渡る皆のサポートに感謝しています。キャリアとして音楽を続けられる事に心から感謝し、バンドの新しい時代に向けて前進できることにワクワクしています。
Will, Matt, Jon, and Andrew」
https://www.instagram.com/p/C5yU1fPRq6q/
Tilian
「この12年間、信じられないほど才能豊かな仲間と一緒に曲やアルバムを作るのは本当に楽しかった。Dance Gavin Danceの最高なファン達と、本当にユニークなつながりを持つことができた。私が在籍したDance Gavin Danceにて素晴らしい体験を皆と共有できたことには感謝しかありません。
近年は、ツアークルーに加わってくれた優秀な男女と関係を築くことができたのは幸運でした。クルーは、私達のショーをより大きなものにしてくれました。私達がファンと共に素晴らしいライブを作る事ができたクルーの役割を私はいつまでも大切に思っています。
そして今、私の新しいチャプターが始まる時が来たのです。別のキャンバスで新しい音楽を作ることに集中していこうと思っています。現在、スタジオでソロ活動としてのTilianの新しいアルバムを完成させ、今年の後半にはそれをサポートするライブを行う予定です。
今後は新しいコラボレーションや新しいプロジェクトが待っていると思うので、これまで私が作って来た音楽あるいは詩に興味をもって頂いた皆には、私が作っている次のメロディックなサウンドにも耳を傾けていただければと思っています。
永遠に感謝しています。Tilian」
こちらDGDとTilianの最後のライブとなった昨年のニュージーランド公演でのライブ映像です:
曲Chucky vs. The Giant Tortoise: https://youtu.be/WiYuvle3XmA?si=3pGAMOLFRHsHxM6e
曲Count Bassy: https://youtu.be/Vjnja35Jyi4?si=qewKNUgr2bJI8-Lu
そして同時期に行ったハワイ公演での全ライブ映像: https://youtu.be/brGJyr_1jv4?si=_ve-S6zbm9RWHvp1
Dance Gavin Danceは10月に行われるWhen We Were Youngフェスに出演予定でアルバムMothership(2016)の全曲ライブを披露予定となっています。
DGDからはTilianの後任について今のところ発表はありません。
Dance Gavin Danceでは結成からクリーンヴォーカルのポジションが何度も入れ替わっている事は有名。オリジナルヴォーカルJonny CraigはTilian脱退のInstagramでの発表に「何がいい」とコメントを入れており意味深なJonnyの投稿に多くのDGDファン達が早くも後任について話し合っている様です。
2007年にJonnyが最初に脱退した後、バンドはオーディションを開いており元Gatsby's American DreamのNic Newsham、Sleeping With SirensのKelin Quinn、Lower DefinitionのMatt Geise、そしてA Lot Like Birdsで活躍し元Five Minute RideのKurt Travis等が受けたそうです。オーディション後、バンドはKurtを加入させてセルフタイトルアルバム(2008)(Nic NewshamとMatt Geiseはオーディションには落選したもの同作でゲストとして出演)をリリースし翌年にはHappiness(2009)をリリースするも度重なるメンバーチェンジや同作が不評だった事を受け、2010年にバンドは起死回生を目指してJonnyの復帰を決断しKurtは脱退。オリジナルメンバーが揃った事が話題となったDGDはアルバムDowntown Battle Mountain IIを2011年にリリース。当時Jonnyは並行してEmarosaでも活動していた事でEmarosaはDGDで忙しくなったJonnyのカバーにTides Of Manで活動していたTilianをツアーに入れて活動していました。しかし2011年にJonnyに依存症等の問題が起きた事でEmarosaはJonnyを解雇。翌年はDGDもJonnyと一緒に活動する事は困難として解雇し後任にTilianの加入を発表。Emarosaはその後Bradley Waldenを加入させて活動しています。
2022年にTilianが一時離脱した時のAndrew、スクリームヴォーカルJon Mess、ドラムMatt Mingus、ギタリストWill Swan、ツアーベースSergio Medinaそしてツアーギタリスト体制で今後もやっていくのではと言われていますが、新たにヴォーカリストを加えての活動も十分ありえます。Tilianとは違ったタイプのヴォーカリストですが現在もDGDと良好な関係であり、Tilian離脱時にもサポートで共演した元メンバーのKurt、復帰を希望しているファンも多いオリジナルJonny、Tilianと入れ替わりにEmarosaに入ったBradley、また過去にDGDのオーディションを受けたアーティスト達もいます。米国では絶大な人気を誇りSWANFESTも主催しているDGDのメンバーになりたいヴォーカリストは多いと思いますが今後のDGDの動向にも注目です。