EvanescenceのAmyがメジャーデュー曲Bring Me To Lifeについて色々と問題があった事を発言。
4/2/2021
EvanescenceのヴォーカルAmy Leeがこれまでのバンド活動を振り返り語る動画がAlternative Press誌によって公開。
Evanescenceが最初のレーベルWind-upレコードと契約する前、Amyは元メンバーBen Moody(g)とDavid Hodges(key)と共にEP作品とデモアルバムOriginを制作。OriginのマスタリングをしたArdentスタジオにて当時Wind-upの経営者の一人だったDiana Meltzer(有名になったバンドを幾つも契約させた事でゴールドの耳を持つ女性と言われています)と出会い同レーベルと契約。バンドは拠点をLos Angelesに移しプロデューサーDave Fortmanとデビュー作Fallenを制作。アルバムFallenは世界的な成功を収めましたが、制作の舞台裏ではレーベルから男性ヴォーカルを入れてアルバムを制作する事を勧められており、バンドと意見が衝突したというエピソードは有名な話でした。
今回リモートでインタビューを受けたAmyは当時のバンド事情について以下に語っています。
「私は男性ヴォーカリストをバンドに加入させる事について断固として反対だったの。レーベルからのアイディアだったんだけど本当に大変だったのよ。レーベルは出来上がっていた曲Bring Me To Lifeに男性ヴォーカルを入れる事を押してきてね、男性ヴォーカルを入れて最初のシングル曲にする、と言ってきたのよ。私は曲Going Under(オープニングトラックでありセカンドシングル曲として発表)こそがバンドの最初のシングル曲だと思っていた。しかしレーベルの案はラジオのリスナーが曲を聴いてスッと入って来やすいのは男性ヴォーカルを入れる事だ、と言っていたわ。私は意味が分からなかったけどね。
私自身影響を受けたアーティスト達は皆非常にユニークで個性のあるアーティスト達だったのよ。Nirvana、Soundgarden、Bjork等は唯一無二の存在でこれが真のアーティストだと私は信じていた。そして今もそう信じているわ。
当時、レーベルからヴォーカリストのオーディションを行いその中で決めた男性ヴォーカリストを正式なメンバーとしてバンドに迎え入れ、全ての楽曲に男性ヴォーカルを入れてツインヴォーカルのバンドとしてデビューしようという提案があったのよ。正に女性バージョンのLinkin Parkを目指している様だったわ。提案を聞いた私は、”少し考えさせて”、と言ってメンバー達と相談しまた一時間後に、”提案には賛成できない、それは私達ではなくなってしまう”、と返答したの。この時私は男性ヴォーカルを入れて活動するなら全てを無しにして一からやり直す事も考えていたわ。そうしたらレーベルは私達への資金を停止したのよ。私達は故郷米アーカンソー州からメジャーデビューをするからと家族に伝えてLos Angelesに出て来ていたんだけど、資金を停止されて私達はアーカンソー州の実家に戻る事になったのよ。契約してから私達は学校を辞めてLos Angelesに移って色々と頑張ってきていたんだけど、それらを手放して、”帰って来ちゃった” と故郷に帰った事は本当に心が張り裂けるぐらい苦しかった。それでも、私はレーベルの提案をのんで心を殺して活動するよりはマシと思っていたのよ。
それから数週間後、レーベルから再び連絡がきて、レーベル側ももう一度バンドについて検討し、”公開が予定されている新作映画Daredevilのサントラとして男性と女性ヴォーカルが歌い上げる楽曲を提供できると映画の方に打診すると、アクションシーンで起用できるとOKを貰えた” と言ってきたのよ。レーベルは一曲だけの話であり、これならバンドの方針を変える事も無いしどうだろうか、と説明した事で私もこの新しい提案にOKをしたのよ。しかしそれでも私はまだバンドの最初のシングル曲はGoing Underでお願いしますと言っていたわ。私は新人アーティストとしてデビューするEvanescenceを人々がどう受け取るか非常に神経質になっていたの。最初に皆が聴いた曲でこれがEvanescenceの音だと思われてしまうのは嫌だった。男性と女性ヴォーカルの曲Bring Me To Lifeを皆が最初に聴いて、バンドの他の楽曲も同じだと思ってしまい聴いてみると全く違うサウンドで、”思っていたサウンドと全然違う、アルバムを買わせる為に男性と女性ヴォーカルの曲を最初にだして、これは詐欺だ” と思われるのは本当に避けたかったのよ。
でも私は曲Bring Me To Lifeは本当に好きな曲なのよ。同曲でゲスト出演してくれた12 StonesのPaul McCoyは本当に親切だった。Paulはあの曲に参加した事で犠牲になった部分も多かったはずよ。(恐らく、曲Bring Me To Lifeの男としてPaulは広く認知されてしまった事)。彼もあの曲がここまで有名になるなんて予想外の出来だったはずだし、その事によって彼が本来やろうとしていた活動にも影響があったと思うの。だからPaulの事は思っているの。そして私自身、曲Bring Me To Lifeが男性と女性ヴォーカルになった事を凄く嫌だったという話は余りメディア上で語るのは控えて来たわ。だってPaulが好きだし、そんな事いったらPaulが可哀そうよ。私達はみんな業界の事をよく理解していなかったキッズだったのよ。
でも本当に私を安心させたのはセカンドシングルとして曲Going Underが発表され皆が気に入ってくれた事を知った時だったわ。私は心の底から嬉しかった。本当に良かった、安心してこのバンドで活動していけるのね、みたいに安心したのよ。確かにレーベルとのいざこざはあったけど、私はこれまでのEvanescenceの活動を振り返って本当にこのバンドをやってきて良かったと思っているのよ。だからこれまでの活動を支えて来てくれたレーベルや関係者達には本当に感謝しているわ。」
こちらAmyのインタビュー動画、曲Bring Me To Lifeについては3:30から: https://youtu.be/Ive0Nqv3p4A