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SlipknotのChris Fehnの訴訟に対しバンド側が回答文書を送る。

April 23, 2019

SlipknotのパーカッションChris FehnがバンドメンバーであるCorey TaylorとShawn Crahan、バンドのマネージャーであるRob Shore氏と同氏の関連会社、そして米国内にある複数のバンド関連会社を相手取り訴訟を起こした件について進展。

 

Chrisは3月13日にニューヨークにある裁判所に告訴状を提出。Chrisの訴えでは、Slipknotは元々メンバー全員のパートナーシップによって管理されており、各メンバーに公平に配当が配られていたが、いつの間にか自身の知らない複数のバンドの関連会社が出来ていた。会社の情報を公開する様に求めたが要求が却下された事で、Chrisは関連会社の実態を公開しバンドが得ていた利益をもう一度洗いなおす為に訴訟に踏み切った事を説明。Chrisの訴訟ではCoreyとShawnがバンドのリーダー的な立ち位置に居た事でバンド活動においての決断、そして他のメンバー達に公平に配当が配られる様に管理する役目を担当していたが、裏ではバンドのマネージャーと一緒に複数の関連会社を使い他のメンバー達よりも多い取り分を分けていたと訴える。

 

今回Chrisの訴訟に対してのSlipknot側(Corey、ShawnそしてRob Shore氏側)の回答文書が公開。

 

長文の法的文書の為要点をまとめました。

- Rob Shore氏が持つRob Shore&Associates Inc.会社は音楽のマネージメントを受け持つ会社であり、主にSlipknotの財政管理からメンバー達への配当、そして法的なトラブルの対応等を行っている会社である。
- メンバーであったChris Fehnは同会社の雇用者でありそれ以上の存在ではない。
- Chris FehnはSlipknotと一緒にライブをプレイし、それによって賃金を与えられていた。彼はパートナーシップの一人でもなく、彼が告訴したどの会社の役員でもない。
- Rob Shore氏は数十年音楽業界で仕事をしており同会社を2008年に立ち上げたが、今日まで一度もマネージメントを受けるクライアントから訴訟や抗議等を受けた事は無かった。
- ShawnとCoreyはSlipknotの結成メンバーであり、訴訟に記されている会社は全てバンドに関連する、または過去に関連した会社である。

 

Rob Shore氏の回答では、Chrisは自身が説明していたバンドのパートナーシップを保有している訳では無く、単にこの20数年間バンドのツアーメンバーの様な雇用者であった事、CoreyとShawn以外のメンバー達はパートナーシップを持っていない事、他のメンバー達もChris同様ライブパフォーマーとして雇われているSlipknot雇用者である事等が説明。

 

記事を取り上げたRock Feedの管理人も話していますが、こういったメンバー全員がバンドの所有権を持っておらずリーダー格のメンバーや少数のメンバーのみが所有権を持っているという話は音楽業界では頻繁にある事の様です。そしてこういったバンドの権利上の訴訟において、CoreyとShawnだけがパートナーシップを保有し結成メンバーだった、とSlipknotを知るファン達は首をかしげるであろう文も権利上の訴訟ではよくある事の様です。バンドは今後ヘッドラインツアー、Metallicaとのツアー、そして新譜の発表が予定されており、この訴訟によって影響が出ればそれこそ何億という額の損害になる可能性もありバンドのマネージメントと弁護側は訴訟を退けるか最小限のダメージに抑える為に少し事実関係を盛った言い分を説明する事は当たり前の事の様です。

 

また、Chrisは自身もパートナーシップを保有しバンドの権利を握っている一人だったと話していますが、今回の回答文はそんなChrisの主張に真っ向からぶつかる内容であります。気になる点は他の旧メンバー達はどうなのかという所。2013年に脱退したドラマーJoey Jordisonはパートナーシップを保有していなかったのかという点であり、Joeyが脱退してから早6年、これまで一度もJoeyの方から今回の様なバンドの権利や関連会社への訴えが一切無かった事もあり、Joey脱退後双方で話し合い金銭的な話は片付いているのではと見られています。

 

今回のRob Shore氏の回答によれば、Chrisとはコミュニケーション不足であり、Chrisに間違ったバンド内でのステータスがあると思い込ませてしまっていた事が要因であるという様な内容になっています。Chris側も今後どうやって戦っていくのかは非常に難しく、バンド側がCoreyとShawnがバンドのリーダーであり契約書があると提出すれば立証となってしまいかねないからです。

 

同じ様な出来事が数年前スウェーデン産オカルトロックGHOSTでも起こっており、フロントマンTobias Forgeに対し名無しのグールと呼ばれているメンバー達から均等な配当を受け取っていない事、そしてバンドの総収入額を公開する様に訴訟を起こしましたが、結局訴訟に勝ったのはTobias Forge。裁判ではTobiasこそが唯一のバンドの正式メンバーであり他のメンバー達は雇われたメンバーである事がTobias側が提出した証拠書類等から立証される形に。現在元GHOSTメンバー達はこの件に関して控訴中。

 

CoreyもShawnもそれぞれ関連会社を立ち上げた時にサインした契約書等を持っていると見られ、Chrisも確固たる証拠がない限り厳しい戦いとなりそうです。

 

こちら記事:

https://metalinjection.net/latest-news/drama/slipknot-manager-claims-chris-fehn-was-hired-gun-who-is-not-an-owner-or-shareholder-in-the-bands-business

 

https://youtu.be/d6Z2vtDBfec

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