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Every Time I Dieが解散。

1/18/2022

Every Time I Dieが解散。

ハードコアパンクEvery Time I Dieの結成メンバーでありフロントマンKeith Buckleyを除いたメンバー達、結成メンバーでギタリストJordan BuckleyとAndy Williams、ベーシストStephen Micciche、ドラムClayton "Goose" Holyoakがバンドの解散を発表しました。


昨年12月初頭、ツアー中であったバンドはKeithが精神的な理由によりツアーの残り3公演を離脱する事を発表。これを受けてKeithが自身のSNSにて、「最近弟のJordan(g)が自分を交代させようと話し合っている事を聞いた。」「自身はEvery Time I Dieのコミュニティーを愛しているが、良い人間であった人に傷つけられ、20年築いてきたバンドから追放された形で離脱する事になった。」と説明し話題になっていました。Keithの投稿を受けバンドは残り3公演に関する発表を取り下げ、同公演を急遽キャンセル。Keithとの話し合いを持ちバンドが予定していたバンド主催のクリスマスフェス'Tid' The Seasonに向けて準備する事を説明していました。その後バンドは多くのファン達の不安を払拭するかの如く12月10日と11日に'Tid' The Seasonを行い大成功を収めていました。


こちらバンドの最終公演となってしまった。'Tid' The Seasonの一日目二日目の全ライブ映像です。


しかし昨日、Jordan、Andy、Stephen、Gooseが共同声明を発表し、'Tid' The Season終了後Keithとのコミュニケーションをとることが出来ず活動を終了する事を決めた事を発表。


「Andy、Jordan、Stephen、GooseのEvery Time I Dieでの最後のライブは2021年12月11日だった。俺達は、真実を説明する法的な声明に合意することを望んでいたが、今日、不正確で、誰かの利益の為にあるようなシナリオで、相互に合意していない情報が発表される事を知らされた。Keithとの直接のコミュニケーションは不可能な状態にある。それは、彼との直接のコミュニケーションが不可能であるか、彼自身によって一切のコミュニケーションが遮断されているためだ。Every Time I Dieはこの5人のメンバーで構成されており、俺達はいかなる変更も受け入れることはなかった。簡単に言えば、新しいヴォーカリストを迎えてバンドが継続するというのは事実無根である。最後に、これまでバンドをサポートしてくれた人々がいなければ俺達は存在しなかっただろう。ネット上で行われた今回の出来事については非常に残念に思っているが、みんなのサポートと思い出を大切にしていきたいと思っている。またすぐに会おう。Forever Grateful、


Andy, Jordan, Steve & Goose」


4人の発表と同時にバンドのSNSも閉鎖されています。


そしてこの発表を受けてKeithも自身のSNSにて法的文書のスクリーンショットを投稿。同文書には、Keithに対し直接の連絡、または弁護士を通じてバンドに連絡しKeithと4メンバーの友好的な決別に向けた話し合いをしてほしいと催促しています。そして、Keithが今後書面か口頭かにかかわらず、また直接か間接かにかかわらず(SNS等を含む)、バンドやメンバーの名前、名声、イメージ、評判、慣習、行動を中傷、軽視し、何らかの形で批判する発言を直ちに停止する事を言い渡しています。また、当事者の間で正式な契約が結ばれるまで、バンドの名称、ロゴ、その他の財産の使用を直ちに中止し、停止することも命令しています。同文書には12月20日付でEメール送信されてあり、Keithは12月27日までに返答する必要があると書かれています。


尚、同文書には内密な解決の文書であり公には発表したくない意向が書かれています。


バンドは昨年10月にアルバムRadicalをリリースし各メディアや多くのファンから高評価を得ていました。素晴らしい作品を発表しこれからの活躍に期待していただけに今回の決別と解散は非常に残念に思っています。バンドと一緒にツアーを予定していたUnderoathも投稿し「バンドはEvery Time I Dieの作品と共に育ち、彼等と共に世界を旅してきた。彼等が発表してきた作品を愛しているが、それ以上に彼等は俺達の大好きな人達だった。Underoathは彼等に憧れ、爆音を鳴らして活動してきた。彼等は音楽界に埋められない穴を残していってしまった。来月のVoyeuristツアーにて、彼等との共演を非常に楽しみにしていたが、新しいサポートアクトを見つけ後日発表する。We'll See You Soon。ETIDよ永遠に。」


'Tid' The Seasonフェス前にKeithとバンドとの間にどれ程の話合いが持たれたのかは分かりませんが、フェスでは素晴らしい演奏を披露していたEvery Time I Die。フェス終了から約1週間半でバンドはKeithに対して決別する事を選択した法的文書を送っています。恐らく、既に決定しており経済的にも、出演バンド、クルー、自分達を信じているファン等多くに影響を及ぼしてしまう'Tid' The Seasonフェスは予定通り行おう、とバンド内部の問題は一旦置いてKeithもバンドも合意していたのでは無いかと思います。その為、私情を置いたバンドは二日間の両日約1.5時間のライブを披露し成功させました。外部からみるとバンドは軌道修正出来て今後の活動に問題はないと誰もが思っていたと思います。しかし、バンドが抱えていた亀裂は多くの人々が思っていたよりも更に深い問題であり、フェス終了後にもその溝を埋める事が出来なかった様です。


声明を発表した4人は「Keithと連絡が取れず、相互に合意しない内容が発表される形となり」解散する事にした、としながら、それに反抗する様にKeithは内密な文書を公開し、「4人は昨年既に自分との決別を選択し、自身の行動を制限する法的な文書まで送りつけた」とし、Keithもバンドの発表に納得がいかない事を明らかにしています。


Keithが法的文書を投稿した事についてJordanはRTで、自分達4人はもうバンドを脱退した事をKeithに知らせる事を伝える為に文書を送った。そして彼が4人を入れ替えて活動していく事は別に良いがプロフェッショナルに法的な問題を正す為に送った事も理由であると説明。そして同4人は今後も音楽活動を続けて行くことを発言しています。そして今回の件について、4人は喧嘩を望んでいないしファン達にどちら側につくという事も求めていない事、自分達が出来るベストな事をしただけであり、自分達の主張はいつか話すかもしれないが今は悲しみの中にて時間が欲しいと説明。Jordanは、Keithは素晴らしいアーティストであり彼以外のヴォーカリストは考えられなかったと発言し、メンバー全員誰もこの結末を望んでいなかったと説明しています。


同問題とは少し違いますが、昨年Keith離脱発表の少し前にRevolver誌が行ったKeithのインタビューにて、彼がこれまで送って来たプライベートな問題について語っています。同記事によると、レット症候群を患っていた妹が2016年に他界し精神的な部分が弱くなってしまった事、自身の精神的な問題がパンデミックにより深刻化していった事。13歳頃に知り合い結婚した女性と近年離婚し女性との間に出来た娘を連れて地元Buffaloを出てRVで生活している事。この事により、これまでの交友関係をもう一度見直し、飲酒も辞めて新しい生活に自信を持っている事を話しポジティブな語りで締めくくられています。因みにKeithと一緒に生活している娘さんも先月のEvery Time I Dieのライブに来場しており、父親がライブパフォーマンスをする姿を初めてみて楽しく見ていた様子は非常に心温まる動画でした。


こちらRevolver誌のインタビュー記事:https://www.revolvermag.com/music/keith-buckley-my-life-story


バンドは1998年に結成しEP作The Burial Plot Bidding Warをリリース。その後Ferretレコードと契約しKillswitch EngageのAdam DutkiewiczプロデュースのもとデビューアルバムLast Night in Townを発表。この頃からメタルコアシーンがメインストリームにて人気が沸騰、バンドはKillswitch Engage等のバンド達と一緒にツアーをしている事でメタルコアシーンのバンドとして認知されてきました。しかし二作目Hot Damn!ではサザンロック、オルタナメタル、スクリーモといった要素を入れ、シーンで活躍していたバンドとは一線を画すサウンドを披露しシーンのゲームチェンジャー的な作品として多くのバンド達に影響を与えました。その後も彼等の発表するアルバムは常に安定した良評価を得ており、2010年以降バンドの人気は上昇を辿り米国内のアルバムセールスもビルボードチャート20位代を何度も獲得する等献身的なファン、そしてメディア上では高評価なバンドとして成功を収めていたバンドでした。2019年には地元Buffaloにて音楽の普及に貢献したとして同市の音楽殿堂入りも果たしています。管理人もバンドのアルバムHot Damn!に収録されている曲EbolaramaのPVに衝撃を受けて、バンドが発表してきた作品を毎回楽しませて貰っていました。メンバー達の今後の活動に期待しています。

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