
self help fest 2019
A Day To Remember主催のSELF HELPフェスが南カリフォルニアにて開催決定。
SELF HELPフェスは比較的新しいフェスであり、初めて開催されたのが2014年。主催者は現代ラウドロック系アーティストの中ではトップクラスの人気を誇るA Day To Remember。
A Day To Rememberは多くの若手バンドと同じく高校時代の友人達が集まって始まったバンドであり、バンド結成時は当時若手のシーンで人気のあったジャンル、ポップパンク、メタルコア、ポストハードコアといったジャンルを巧みに組み合わせ新たなジャンル、ポップコア(現在はほぼ死語)を作った代表的なバンドである。アルバムを発表する毎に人気が増していったバンドだったが、兼ねてから確執が多かった所属事務所と訴訟トラブルになる。数年掛けた裁判だったがバンドは無事に勝訴し、晴れてレーベルの契約から逃れる事が出来、自身のレーベルであるADTRレコードを設立。レーベルのコントロールが無くなったバンドはアルバムCommon Courtesyを自主で発売。バンドは裁判によってアルバムの発売が延期になっても、ずっとサポートを続けてくれたファン達に感謝の気持ちを伝えたかった事もあり、当時シーンで人気があり親交のあったバンド達を集め自分達だけでSELF HELPフェスを開催。恐らく前所属レーベルに居たらこのフェスの開催は無かったであろう。当時前レーベルからロイヤリティは支給されず、莫大な裁判費という出費もあった、マーチとツアーの儲けだけで(恐らくバンドのお金を殆どつぎ込んだ)開催したSELF HELPフェスは出演バンド達の尽力もあり大成功を収める。結果的にこの時自分達のフェスを開催するという大きな賭けを打ったバンドの知名度はまた上昇し、翌年、そして翌翌年と4年間連続で続くフェスへとなったのだ。
A Day To Rememberの人気もあるがSELF HELPフェスの見所は出演バンドの豪華さにある。Bring Me The Horizon、Of Mice&Men、Pierce The Veil、Sleeping With Sirens、Underoath、Rise Againstとシーンのトップで活躍するバンド達をピック。毎年のライナップはほぼワープドツアーにてメインステージでプレイ出来る人気バンド達が目白押しなのである。ワープドツアーで小さいサイドステージからメインステージバンドに育ったA Day To Rememberだからこそ、自分達と同じ様にワープドツアーで育ったバンド達を積極的にピックしている。
気になる今年のライナップだが、先ず何と言っても現代のラウドロックシーンにて快進撃を続けるI PrevailとSelf Help Festival初参戦で現代テクニカルプログシーンに影響を与えたPeripheryとAnimal As Leadersの存在は大きい。また現在のシーンにて安定した人気を維持しているMotionless In White、Beartooth、そしてWhile She Sleeps。そして2015年に復帰しA Day To Rememberと昔はポップコアと呼ばれるシーンにて一緒に盛り上げたSet Your Goals。

CHECK POINT 1: ワープドツアーでメインステージ立てるバンドが多数出演。
今年の出演バンドリストをざっと見ても近年のワープドツアーに行った事のあるオーディエンスだったら殆どのバンドを知っているのではないだろうか。I Prevail、Beartooth、This Wild Life辺りはワープドツアーにてメインステージでプレイしている実績がある。その他のPeriphery、Set Your Goals、Angel Du$t等は全米をヘッドラインツアー出来るバンドである。Angel Du$tは現代ハードコア界で注目されているTurnstileとTrapped Under Iceのメンバー達によるバンドでありファンや業界からも注目されているパンクバンド。またElder BrotherはStory So FarのKevin Geyer(g/vo)とDaybreakerのDan(vo)によるサイドプロジェクトであり2014年から定期的に活動している。A Day To Rememberの知名度は言うまでもないが、その他のバンド達も実績を作って来たバンドである。ライナップをみて「これは誰?」というバンドが余り居ない事は逆にオーディエンスに二つのステージがある同フェスにてどのバンドを見ようか考えさせてくれる贅沢なライナップである。
CHECK POINT 2: ヘッドライナーA Day To Rememberによる派手な演出。
巨大なスモッグマシーンに大量の紙吹雪や巨大コンフェッティの打ち上げ等A Day To RememberはこれまでのSELF HELPフェスにて大掛かりなステージセットを用意してオーディエンスを楽しませてきた。この他にもフロントマンJeremyがアルマジロボールの中に入ってオーディエンスの頭上を転がる演出、多くのビーチボールをオーディエンスへ投げ込む演出、打ち上げ花火、ステージ上のパイロ装置、メンバー達の巨大バルーン、コメディ色の強いイントロ映像等これまでも多くの演出を行ってきたADTRだけに、今年のSELF HELPフェスではどんな演出を行うのか非常に楽しみなポイント。
CHECK POINT 3: 今後の活躍が期待されるバンドが勢揃い。
今年最新作Traumaを発表したI Prevail、新譜Hail Stanを発表したPeriphery、新譜Pretty Buffを発表したAngel Du$t、そして新譜So What?を発表したWhile She Sleepsと新作を発表したバンド達が多い。二作目という重圧からも全米ビルボードチャート14位を記録したI Prevail、新レーベルを自身で立ち上げ制作も全てバンドで行ったPeriphery、常に良作を作り続け本国英国と欧州の人気が高いWhile She Sleeps、去年から最新作Diseaseを伴うツアーで世界で精力的に活動するBeartoothと見所は多い。そして今年EDMアーティストMarshmelloとのコラボ曲Rescue Meを発表し話題になった主催者A Day To Remember。出演バンドそれぞれが今後の活躍が期待されているバンドである。
それでは、ヘッドライナー以外の気になる要チェック出演バンド達を紹介:
I Prevail
2013年結成のI Prevailこそ現在のラウドシーンで最も勢いのあるバンドである。初シングルはTaylor Swiftの曲Blank Spaceのカバーが余りにも反響が大きく無名ながら早々にゴールドセールスを獲得。突如売れた事で心配されたデビュー作Lifelinesは大方の予想を遥かに上回る出来でバンドはカバー曲だけで終わらない、しかももっと高見を目指せるバンドとして鮮烈なデビューを果たした。デビュー作から3年期待の高まる次作Traumaを今年発表したバンドはパーソナルな歌詞から前作のサウンドを取り込み更に練り上げ作り込んだ二作目でまたしても米国を始め世界各国の音楽チャートで健闘。数年前までToo Close To TouchやDangerkidsとツアーしていたバンドは今年A Day To Rememberのサポートとしてフェスの準ヘッドライン、またADTRと一緒にツアーを予定。
Periphery
Djentそしてプログメタルシーンをこれまで引っ張って来たPeripheryの功績は大きい。そんなPeripheryが今年セルフでプロデュースした新譜Periphery IV:HAIL STANを自身が立ち上げた新レーベルから発表。昨年ツアー活動をオフにしてメンバー全員で作り上げた渾身の作品は多くの批評家達を唸らせバンドはまだ終わっていない事を証明。普段はプログメタルシーンのバンドやテクニカルなロックバンド達と対バンする事が多いPeripheryが今回A Day To RememberのSelf Helpフェスに殴り込み。ADTRと余り絡む事が少ないPeripheryが出演を決めたのも驚きだが、A Day To Rememberファンの前でどのようなライブを見せるのか非常に興味津々である。ADTRファンはヘビーな曲もポップな曲もオープンに聴ける人が多いのでバンドには是非ともサウンドの異なるセットリストを組んで貰いテクニカルな演奏を思う存分披露してもらいたい。
While She Sleeps
2006年に結成され2010年以降徐々に本国イギリスから、欧州、そして世界で注目されたメタルコアWhile She SleepsがSelf Helpフェスに参戦。メタルコアにハードコアパンク系のサウンドをミックスさせたハイブリッド、ライブでオーディエンスと一緒に唄えるアンセム的な曲展開を得意としTriviumを始めとしたアーティスト達にも人気のあるバンドである。バンドは今年に最新作So What?を公開。この作品の前作にあたるYou Are Weが高評価を受けたアルバムだった為多くの人は最新作も前作を引き継いだ作品と予想していた。しかし、最新作はメタルコアというよりもオルタナ、そしてエレクトロ要素も加わったバンド史上最も実験的なアルバムとなった。サウンドに幅が広がった事によりバンドは米国にて絶大な人気を誇るA Day To RememberプロデュースのSelf Helpフェスに登場。
For Tickets and More Information: Click Below





