このコーナーでは、アメリカ西海岸Orange County(OC)にて行われるライブレポートをお届けします。
第26回: WARPED TOUR 2018 - Ventura, CA
今年で24回目となるWARPED TOUR 2018。1990年前半、LAのクラブでステージマネージャーをしていたKevin Lyman氏が自身のプロダクションを立ち上げ、自身の好きなバンド達を連れて野外ライブを行い全米を回りたいとしワープドツアーが1995年にスタート。その後、ワープドツアーは規模を年々拡大、気付けば若手バンド達の登竜門的なツアーになり、常に音楽シーンに耳を傾けて来た姿勢は多くのミュージックファンに影響を与えたツアーになった。
そして去年、Lyman氏は2018年のワープドツアーが最後の米国を周るツアーと発表し世間を驚かせた。ワープドツアー最後の全米ツアーに参加するバンドには、ベテラン組となるReel Big Fishから、ツアー中期から盛り上げてきたSimple Plan、後期にてワープドを支えたIssues、State Champs、Black Veil Brides等が出演。全公演周るバンドもいれば数公演の限定出演というバンドもいるが本当に多くのバンドが参加するツアーになった。今年は二つのJourneysメインステージに、メタル、ラウド系バンド達が出演する二つのMutantステージ、人気沸騰中の若手バンドが出演するOwlf.fmステージ、そして公演地から来る多くのローカルバンド達が出演するFull Sailステージを設置。今回3年振りにワープド開催地となってカムバックしたカリフォルニア州Ventura市には、ラストツアーを堪能しようと例年以上のチケットの売れ行きとなりVentura公演は当日前に既に完売であった。
ワープドが自信を持って送る素晴らしいライナップで最高な形で迎えたVentura公演をレポートします。
今回も事前にメディアパスの申請をしていたが残念ながらVenturaを含め南カリフォルニア3公演全て落とされてしまった。毎年申請はしていたがワープドのメディアパスは遂に一度も取れずじまいである。ワープドのメディア審査本当に厳しい。 Ventura公演数日前に奥さんから「最後なんだから行って来たら」と言われ、だったら家族全員でVenturaに小旅行をしようとなり、自身がワープドに行っている間は奥さんが二人の子供と隣のビーチで遊ぶ計画が完成。家族に押された形となり、一般オーディエンスとなって久しぶりにカメラ片手にモッシュピット内で撮影する事になりました。非公式なレポートですが楽しんで読んでくれたら幸いです。
Venturaでワープドが開催されるのは実に3年振りである。自身が最後にVentura会場に来た時にはLinkin Parkがサプライズで登場したり、One Ok Rockが出演する等非常に盛り上がった公演であった。ここ数年間ワープドがVenturaで公演をする事が無くなり、LA近郊のファン達からは残念な声が上がっていたが、今回最後のツアーとなったワープドでは久しぶりにVenturaに帰ってきてくれた。自身も今年で行くならVentura会場と決めていた。Welcome Back to Ventura。ありがとうワープド。
毎年ワープドでは食品缶を寄付すると入場時のラインをカット出来るパスを配布している。素晴らしい!と思うかもしれないがワープドに来るファン達には知れている事で多くの人が寄付をしてパスを受け取っているのだ。この日も例年通りパスを貰った人達の長い列が既に出来上がっていた。しかし、この日のスタッフが事前に寄付をした列と、していない列を分けて居なかった。管理人も寄付をして並んでいたのだが、とあるスタッフが「このラインは寄付したラインでは無い」と教えてくれた事で一緒に並んでいた男性数名と列を離れ確かめに。列の最前線にいるスタッフに聞くとやはり分けて居ない事が発覚。今知れたらパニックになるぞとゾッとするも、スタッフから「兎に角今は列を前に移動させパニックを避けたい」と言われ急遽管理人を含めた数人が一気にセキュリティゲートに移動させられ凄い展開で最前列に。心配していたパニックな展開も起こらなかった様で、ラッキーでありヒヤヒヤな開場でした。
会場時刻が早かったのかセキュリティーゲートを潜ると、まだ会場の整備が終わっていないと一旦ゲート近くのMutantステージ付近で数十分待たされる事に。整備が終わるとワープドの始まりを待ち侘びたファン達が一斉に駆け足で飛び出していった。毎年恒例のスケジュール表も張り出しており、携帯で撮影しているファン達が多かった。
ワープド会場後はバンドが始まるまでに時間があり余っていた事もあり、ステージ最前列を確保する人もいれば、マーチを早速購入する人、献血を事前にしていたファン達は限定で配布されるVIPパスをゲットする為にワープド施設のテントに集結しており、ファン達は各々ワープドを楽しんでいた。管理人は混まない内にワープドを散策しようとブースを周る事に。ワープドのスポンサーであるJourneysブースではスニーカーがゲットできるゲームが行われており、こういった各ブースの出し物を楽しんで時間を潰す。
ワープドVentura公演最初のバンドはMutantステージに登場したポストハードコアSenses Fail。もう何度もワープドツアーに出演している、ある意味ベテラン勢の一員である。てっきりも う少し遅い時間帯で出演するかと思いきや、そこはワープド。ベテランでも関係なく朝一のスケジュールを組みオーディエンスのまばらなステージに出演させる。バンドは代表曲Rum Is For Drinkingからスタート。
写真は2016年に加入したギタリストJason。管理人も久しくSenses Failを見ていなかった為フロ ントマンBuddy Nielsen以外のメンバーが全く分からなかった。Buddyを除いたメンバー全員ここ数年間で変わっており昔からのSenses Failを知っている人は現在のライナップが分からない人もいるかもしれない。しかし、現在のメンバーでも演奏は完璧にこなしており、ファンから人気の高い曲You're Cute When You Scream、そしてCalling All Carsと旧曲を連発。Buddyの「知っている人は一緒に歌ってくれ」とCalling All Carsはオーディエンスも熱唱。そして早速朝早くからモッシュが展開される。
セットリストは初期作品Let It Enfold You、Still Searchingからの曲で構成。ライブ中盤Buddyは「スペシャルな奴を見せてやる」と言うとSystem Of A DownのChop Sueyをカバーこれにはオーディエンスも大盛り上がりで大合唱、すると今度は「Let The Bodies Hit Floor」と歌いだしDrowning Poolの曲Bodiesのカバーへ、次はLimp Bizkitの曲Break Stuff、そしてRage Against The MachineのBulls On Paradeを少しづつカバーし最後のワープドを盛り上げる。オーディエンス全員が楽しめたライブであった。
Senses Failを少し早めに切り上げOwly.fmステージに一番手で登場するポップパンクGrayscaleを見に行く。既に演奏は始まっていたが序盤のOwly.fmステージには多くの人が集まっていた。ダブルギターの5ピースバンド。結成2011年で全くの無名だった2015年に発表した曲Changeで認知を高め昨年Fearlessレコードと契約しデビュー作Adornment を発表。ミドルテンポながらキャッチーなメロディフックを武器にしっかり聞かせるエモ路線も入ったサウンドである。