このコーナーでは、アメリカ西海岸Orange County(OC)にて行われるライブレポートをお届けします。
第15回: Napalm Death、 Savage Imperial Death March Tour前夜祭- Santa Ana, CA
2016年、初となるライブレポートは英国グラインドコアマスターNapalm Deathをヘッドラインに、日本が生んだノイズロックMelt Banana、そしてスウェーデン産のハードコアバンクVictimsを連れてのライブを紹介。
Napalm Deathは3月終わりからスラッジロックThe Melvinsとの全米ツアーを予定しており、同ツアーのサポートとして付くMelt Bananaをツアー開始前に呼び込み、全米ツアー開始の狼煙を上げるライブをこのOrange Countyで行ってくれた。
ジャンルの違う3バンド、しかも別国出身のバンド達がぶつかり会うエクストリームロックのライブを堪能下さい。
活動歴35年のNapalm Deathを筆頭に、約24年のMelt Banana、そして約20年のVictimsとベテランが揃ったライブはオレンジカウンティのSanta AnaとCosta Mesa市の中間にあるライブハウスThe Observatoryで行われた。ライブハウスは昔から存在しGalaxyという名前だったがオーナーが変わったのか数年前にネームチェンジ。Children Of BodomやRancid等のライブを観てきた場所だ。パーキングはフリーの筈だがこの日は早々に敷地内のエリアを閉め出し(大量に空きスペースがあるのにも関わらず)客は10ドルのパーキングエリアにガイドされる。初めてこのライブハウスで駐車賃を払う事になった為少し落胆。
The Observatoryの会場にはこのメインステージの他にConstellationルームという小型のライブステージが連結されている。このConstellationではローカルバンドやチケットの売り上げが少ないバンドがプレイしている。この日はNapalm Deathの隣でパンクバンドがプレイしていた。
年輩の男性が店番をしているこの日のヘッドライナーNapalm Deathのマーチ。最新CDにシャツは4種類程出ていた。
メインステージにConstellationを入れた横長の会場にはごらんの様に広いマーチブースエリアがある。
メインステージの反対側には広いスペースのバーがある。まだ、Victimsが始まっていない早い時間帯という事もあり空いている。 この日は平日木曜日で仕事終わりにライブに来た。実は、ライブハウスのスケジュールには最初のバンドは8PMスタートとかいてあったにも関わらずオープニングバンドNetherlandsはスケジュールよりも大分早い7:30PMにスタートし自分が会場に入った時には既に終了していた。ニューヨーク出身のノイズパンクバンドだったが間に合わなかった、すまない。
この日、実質的には二番手で登場したVictims。クラストパンク、ハードコアパンクのファンなら知っている人もいるだろう。この日のバンドはNapalm Death以外の2組は初めてライブを観る。ヴォーカル兼ベースの結成メンバーJohanのスクリームヴォーカルはとてもパワフルでありDischarge直系の様などこかスラッシーなギターリフにもマッチしているドライな感じの絶叫。ConvergeのフロントマンJacobが経営するDeathwishと契約していた事もあるバンド。
ドラムAndyも結成メンバーの1人であり、バンドの疾走感あるリズムを叩きだしている。バンドは今は亡き同じ国出身のグラインドコアNasum、シーンに絶大な影響力を持つHis Hero Is Gone、そしてスプリットを出したFrom Ashes Rise等が好きな人にお勧めである。曲間の喋りは極力省きペースの速いライブであった。
写真奥にて演奏しいるのがNasumでもギターをプレイしていたJonである。Victimsではスラッシュメタリックなギター展開を見せたりと高速ギターリフをプレイ。
今回、自身も含めてVictimsを始めて観た人も多かっただろう。米ツアーに来る事もそうないので非常に貴重な機会だったと思う。オーディエンスは既にモッシュを展開しており、感極まった男性ファンはモッシュでは飽き足らずステージ横のセキュリティを突破(早い時間帯だった為手薄だった)、ステージを助走にしてダイブを慣行。ダイブするにはオーディエンスの人数が少なすぎた事もあり、ダイブ男性は足から降りて大事には至らなかった。