JinjerのEugeneがロシアの軍事侵攻を目の当たりにした恐怖を語る。

6/26/2022

JinjerのEugeneがロシアの軍事侵攻を目の当たりにした恐怖を語る。

ウクライナ産メタルJinjerのベーシストEugene AbdukhanovがChaoszineのインタビューに応え、ロシアがウクライナ侵攻を開始した直後自身の視界にあるものが次々に破壊されていく光景に全てが終わったと感じた恐怖体験について語る。


Jinjerはウクライナにて2008年にヴォーカルMaksym Fatullaiev、ギタリストDmitriy Oksen、ベーシストOleksiy Svynar、ドラムVyacheslav Okhrimenkoによって結成しEP作品Objects in Mirror Are Closer than They Appearをリリース。その後メンバーチェンジによって現ヴォーカルTatiana Shmailyukと現ギタリストRoman Ibramkhalilov、ベースにEugeneが加入しここからJinjerは本格的に活動を開始。2012年に発売したEP作Inhale, Do Not Breatheはテクニカルな演奏を押し出したプログメタルコアというべき作品でギリシャにあるThe Leaders Recordsと契約し2013年には追加トラックを入れた同作が再発される。2014年に自主でデビューフルレングスアルバムCloud Factoryをリリース。欧州圏での人気が出て来た事でNapalm Recordsの目に留まり現在も所属している同レーベルと契約。2016年にリリースしたシングル曲Sit Stay Roll Overの強烈なミュージックビデオが話題になり、同曲を収録したアルバムKing of EverythingによってJinjerの名前は世界に知れ渡る事になる。その後もアルバムMacro (2019)、Wallflowers (2021)と良作を発表しバンドの精力的なライブ活動によりウクライナのロック/メタルバンドとしては世界規模で有名な存在となっています。


そんな順風満帆に見えたJinjerの活動はコロナウイルスの影響で紆余曲折もあったもの、2022年にはSlipknot主催のKnotfest Roadshowツアーのサポートに抜擢され一層の活躍が期待されていました。しかし、2月24日にロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が開始。ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けており、大勢のウクライナ市民が国外へ避難しています。当時について

Eugeneは、

「俺はこの戦争が始まった時にあの場に居た。あの24日の午前5時、俺は車を運転していたら周りのものが次々に爆発していったんだ。直ぐにシェルターに避難しようとパニックに陥った、全てが終わった、とその時は思ったよ。兎に角、爆発が起きている所から逃げる為俺は180キロの猛スピードで細い道を走り続けた。まだ辺りは暗かった。俺が見ていた光景は正に映画のシーンの様だったよ、大きな爆発が何度も起きて破壊された物がそこら中に降って来て俺の前にもどんどん落ちて来ていた。煙が立ち込めていた道を俺は構わず走り続けたよ。正にリアルなホラーだった、そして自分がその世界に居るんだ。そしてKyivに戻れる道を車で突き進み自宅へ急いだのさ。反対車線には破壊された市街地から逃れようと長い渋滞が出来ていた。兎に角、ロシアの軍事侵攻が開始された最初の週はウクライナに居る人々誰もがこの先どうなるのか分からない正に最悪な状況に置かれていた。俺は無事に帰宅し、最初にやった事はバンドメンバー達に連絡した事だった。俺達は直ぐにソーシャルメディアに現在の状況を投稿した。メンバー全員自宅待機となった。そして毎30分にサイレンが鳴っていた。俺は地下室に降りて避難していたよ。既に家族は違う場所に避難していたから一人だった。俺は一人地下室でニュースを見てクレイジーになりそうだった。毎30分に俺は地下室へ行き、そして上へ戻り、また地下室へ行くを繰り返していた。そして周りでは大きな爆発が起きていた。最初の方は5-10キロ離れた所から爆発が起きていた。本来ならそう近くない感覚なんだが大きな爆発により地面が揺れるのが伝わってきてリアルなホラーが始まるんだよ。俺は直ぐに自身の近況を伝える動画を撮影し投稿したよ。俺自身こんな状況になるなんて想像もしていなかったから、何かしていないと気が狂いそうになったんだ。


俺の所には友人から大量のメールが送られてきていてね。皆俺の安否を気遣ってくれていた。そして世界中にいるファンからも温かいメッセージを受け俺だけでなくメンバー全員皆の励ましや温かいメッセージに救われこの異常な状況で気を保っていけたんだ。」


当時俺達はSlipknotとの米ツアーを近くに控えていてね。あの戦争が始まって一週間、俺達の人生の中で最も最悪な状況の中だった。そして国外へ行くことは出来なかったんだ。もし運よくあの時国外に滞在していたとしても母国にて多くの死傷者、多くの悲しみ、とんでもないホラーな時に音楽をプレイする気分にはなれなかったかな。」


バンドは今月に入りウクライナの文化省の許可を得て国外へツアー活動する事が出来る様になった事を発表。バンドはロシアの軍事侵攻を受けるウクライナの現状を伝え支援を慕う同国のアンバサダー

として活動する事を発表しています。

「(ツアー活動を再開した現状について)まあ、良い事も悪い事もあるよね。ステージにて45-50分または1時間程ライブパフォーマンスしている時はセラピーみたいな感じで一時戦争を忘れて音楽を演奏できオーディエンスとコネクションする事は本当に素晴らしいよ。しかし他の時間では俺のムードは浮き沈みが激しく、良い気分かなと思えば数分後にはの母国の事や家族や友人の事を考えて鬱の様になり動けなくなる。音楽をプレイ出来る事で本当に助かっているよ。」と説明しています。


またJinjerが発表したチャリティーTシャツが1万1千枚以上を売り上げ約2000万円以上のサポートを受けている事を報告。バンドは売り上げを防空シェルターへの医療物資、食料、衣類に使っている事を説明しインタビューにおいても支援してくれている人々に本当に感謝している事を発言しています。


そしてこの3月に英BBC Newsから受けたインタビューにおいて、Eugeneはそれまで働いていた仕事を辞めて、今は人道支援活動を行っている事を発言。Eugeneの元にはロシアからのファンもメッセージを寄せており、ロシア人のファン達はEugeneやウクライナの人々に対して謝罪しており、今回の軍事侵攻は間違っている事、自国を恥ずかしく思っている事をEuguneに伝えている事を発言しています。


こちらEuguneのインタビュー動画: https://youtu.be/Vw3CNCmR7rQ


Jinjerが出演したHellfest 2022の圧巻のライブパフォーマンス全ライブ映像