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WARPED TOUR 2025

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 米国夏の恒例行事であったWarped Tourが復活。

 

今年で30周年となるWARPED TOUR。1990年前半、LAのクラブでステージマネージャーをしていたKevin Lyman氏が自身のプロダクションを立ち上げ、自身の好きなバンド達を連れて野外ライブを行い全米を回りたいとしワープドツアーが1995年にスタート。ワープドツアーというと夏のパンクツアーという意見が多いが、当初からアルトメタルQuicksand(昨年22年振りに新譜を発表)をヘッドライナー各にし、スカパンクSublime、No Doubt、ポストハードコアOrange 9mm等が目玉バンドとして出演しておりストレートなパンクツアーでは無かった。翌年からはワープドツアーのメインスポンサーとなったスニーカーブランドVansがつき、この年もオルタナロックBeckやSteve Wynn等が出演し出演アーティストの幅を広げた。しかし翌年の1997年にはSocial Distortionを筆頭にFace To Face、Pennywise、Blink-182、Descendents、The Vandalsといったパンクバンドを出演させこの頃から「ワープド=パンク」的なイメージが強くなる。しかしながらこの年にもワープドは当時無名だったLimp BizkitやSugar Ray等メタル系なバンドも出演させており益々ジャンルの幅を広げて行く。1998年には日本のバンドとしては初めてワープドに出演したHi-Standardがいる。これ以降数年はパンクバンドの多いワープドとなる。

 

しかし、2001年頃から当時メジャーシーンで人気を博したNew Found Glory、Sum 41そしてSimple Plan等パンクやスカパンク以外のメジャー路線から来るオーディエンスを獲得する戦略に少しづつシフト、2002年からエモ、スクリーモという話題性のあるジャンルからTaking Back Sunday、The Starting Line、Thursday、The Used、Finch等も出演。そしてワープド史上最もオーディエンス動員数を記録したといわれる2005年。この年はこれまで出演が無かったThe Offpring、そしてこの年メジャーシーンを圧巻したMy Chemical RomanceとFall Out Boyが出演。正に音楽シーンに常に耳を傾けてきたワープドの戦略の集大成的な年であった。

 

この年以降ワープドはパンクやスカシーンから少し距離を置き、波のある音楽シーンをいち早くキャッチし実力のある若手バンドを出演させる様になっていく。このスタンスからAll Time Low、Paramore、A Day To Remember、Bring Me The Horizon等の現在人気のあるバンド達が育っていった。

 

またこれまで上げてきたワープドに出演し話題をなったバンド達以外にもワープド出演時は話題にならなかったが、その後有名になったアーティストも多く、ラッパーEminemを始め、ヒップホップグループThe Black Eyed Peas、ラップロックKid Rock、DJ Skrillex、ポップシンガーKaty Perry等ワープドは可能性を秘めたアーティスト達をジャンル問わず積極的にチャンスを与えてきた。

 

そして2018年、Lyman氏は同年のワープドツアーが最後の米国を周るツアーと発表。ツアースタイルのワープドツアーは終了したが翌年の2019年にワープドツアーは25周年を記念し3公演:オハイオ州Cleveland、ニュージャージー州Atlantic City、そしてカリフォルニア州Mountain Viewにて開催。この年を最後にワープドツアーは終了しました。

しかし、2024年に入りワープド復活の噂が広まると10月に正式に2025年に復活すると発表。Lyman氏はワープド復活について「人は何かがなくなってしまうと、それが重要で楽しかったことを思い出し始める。私はその多くを取り戻したいと思ったんだ」と発言。復活したワープドは2019年と同じく3都市Washington DC、カリフォルニア州Long Beach、フロリダ州Orlandoにて開催。復活したワープドに参加するバンドには、メジャーシーンからAvril Lavigne、ベテラン組となるPennywiseやFishbone、ツアー中期から盛り上げてきたSimple Plan、Senses Fail、後期にてワープドを支えたState Champs、Black Veil Brides等が発表。全公演に出演するバンドもいれば、数公演の限定出演というバンドもおり本当に多くのバンドが参加するツアーになる。

復活のワープドでは二つのメインステージに、メタル、ラウド系バンド達が出演する二つのステージ、As It Is、Don Broco、Palaye Royaleといった人気沸騰中の若手バンドが出演する2ステージ、そして公演地から来るローカルバンドその数何と150バンドが出演する2ステージに計8ステージでの開催が決定されている。今回復活を遂げたワープドの特集を組む事にしました。

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CHECK POINT 1: 30周年に花を添えたライナップ。

 

新旧バンドは勿論、パンク、スカパンク、ポップパンク、ハードコア、ハードコアパンク、メタルコア、ラップメタル、ポストハードコア、エモ、スクリーモ、ニューメタル、ハードロック、デスメタル、オルタナロック、ラップ、ポップロック、最近このジャンル名で例える事が少なくなったが、ポップコア、デスコア、クランクコア等一通りワープドの歴史の中で披露してきた様々な音楽ジャンルのバンド達が出演予定となる。ワープドを知るオーディエンスにとっては素晴らしいライナップに違いない。現在ワープドが出来る

ライナップを集め、復活&30周年と銘打った事でワープドツアーに世話になったバンド達が数公演出演して花を添える形のライナップである。欲を言えば、1995年ワープド立ち上げ時に出演したバンドも沢山呼んで欲しかった所。SublimeとGood Riddenceの出演は素晴らしい。Quicksandは2022年に、Face To Faceは2021年に最新作を発表し未だに現役で活動している事で可能性はあったかもしれない。多くの若手バンドと一緒は絡みにくいという要素はあるかもしれないが、2000年前半まではバリバリのパンクツアーだった年もあっただけにもう少し当時出演していたパンクバンド達の出演も欲しかった所。特にLess Than JakeはLyman氏のお気に入りバンドとして有名だがReel Big FishやRancidにも出演して欲しかった。2017年まであったTSOL、Strung Out、The Dickies等のハードコアやパンクバンドが出演するHardcoreステージも復活して欲しかった所だ。数公演しか出演しないバンドも多いが、ライナップ表をみても非常に豪華である。ライナップの黒色のバンド達は全公演に出演。このライナップで50ドル以下で見れるのは素晴らしい事である。そしてまだサプライズな出演があるかもしれない。

 

CHECK POINT 2: 近年人気がでたバンド、メジャーシーンでも活躍するアーティスト達に期待大。

 

今年のワープドツアーに出演するIce Nine Kills、Slaughter To Prevail、Falling In Reverseは要チェックバンドである。彼等はこれまでワープドに出演経験があるもの近年大躍進したバンドだ。特にIce Nine Killsは前回出演時にはメタル系バンドが出演する中堅サイドステージであったが当時にして多くのオーディエンスを動員しており管理人も次こそはメインステージと思っていた。ワープドが終了中Ice Nine Killsの状況は一変しており今やヘッドライナーアクト、自身のフェスを主催、Metallicaのサポートアクトに抜擢と恐ろしいまでに成長したIce Nine Kills。そしてメインステージにて今回ワープドに初参戦するAvril Lavigneにも注目。Avril Lavigneはこれまでありそうでありえなかった出演。最新アルバムLove Suxがポップパンク、エモロック方向に舵をきった事もワープド出演の後押しになったのかもしれない。ワープドステージでのAvril Lavigneのパフォーマンスは話題になるはず。そして2001年以降出演がなかった311の出演もピックアップしたい。2001年にアルバムFrom Chaosにリリースした当時はそれまで発売してきたアルバムの多くはプラチナ、ゴールドディスクを獲得しておりオルタナシーンでの311は一つ抜き出た存在だった。ワープドを暫く離れていた311が現在のワープドオーディエンスにどのようなパフォーマンスを見せてくれるのかワクワクしている。

 

CHECK POINT 3: 様々なコラボレーション、スペシャルゲストとの共演が。

 

ワープドツアーのライブにとって欠かせないのは出演バンド達によるコラボレーションライブ。これまでも、Pierce The VeilのライブにSleeping With SirensのKellinがゲスト出演し曲King For A Dayを一緒に熱唱、Motionless In WhiteのライブにIce Nine KillsのSpenceがゲスト出演し曲Abigailをプレイ、ArchitectsのライブにBring Me The HorizonのOliがゲスト出演し曲Even If You Win, You're Still A Ratをコラボ、とこれまで多くのアーティスト達の共演が実現したワープド。原曲でのゲストがそのまま出演、友情からの出演、ヴォーカルの代役等色々な理由がありますが、大勢のアーティスト達が一同に集まり一緒に全米を周るツアーにおいてオーディエンスだけでなくアーティスト側も開放的な気分になり普段やらないコラボなども実現する事がしばしば。クラブコアAttack Attack!のワープド出演時に当時同じステージに出演していたポップロックHey MondayのヴォーカルCassadeeが曲Smokahontasにゲスト出演し熱唱、とワープド内での親交を深めた共演もありえます。今年は数日限定出演のバンド等を入れると本当に多くのアーティスト達がワープドに集まるので30周年と復活という事もありアーティスト達も思い出作りにコラボライブをする事もあるかもしれません。

それでは、今年のワープドツアーに出演する要チェックバンド達を紹介。本当に多くのアーティスト達が出演するので今回はWashington DC、Long Beach、Orlandoから1アーティストをピックアップしました。定期的にピックアップアーティストを更新していきます。

Washington DC:

Avril Lavigne

まさかのAvril Lavigneがワープドに登場。デビュー作から「ポップパンククイーン」とよばれ、最新作Love Suxではポップパンクそしてオルタナロックなサウンドに回帰しBlink-182のTravisそしてJohn Feldmannといったポップパンクやエモシーンの立役者たちと一緒に制作。そして昨年は自身初となるベストアルバムも発売。近年活動が活発化し人気が再燃しているAvril。これまでワープドにはKerry Perry等のアーティストも出演している為Avrilもワープドオーディエンスには温かく迎え入れられるのではないかと思っている。メジャーシーンで活躍するAvril Lavigneのワープドデビューがどうなるのか、ステージでどのようなライブをみせるのか楽しみである。

Long beach, california:

Comeback Kid

なんとこちらもワープド初出場となるハードコアパンクComeback Kid。しかも全てのワープド公演に出演。結成24年の彼等は現在バンド史上の金字塔Wake The Deadの20周年を記念する活動を予定。管理人自身Comeback Kidは既にワープドに出演経験があると思っていただけに今年初出場と聞いて驚いています。彼等のライブを想定して制作するサウンドによって強烈なモッシュがワープドで発生する事は間違いなし。そしてヴォーカルPatrickが自身の内面を正直に歌詞にし歌うメッセージ性も人気の秘密。Patrickは自身が持つ強迫性障害や鬱病に真っ直ぐに向き合い歌詞にしています。アート的な音楽性と聴く人に響くメッセージによって若い世代中心にコアなファンが出来つつあるバンド。

Orlando, Florida:

Head Automatica

ポストハードコアシーンにおいて影響力のあるGlassjawのフロントマンDaryl PalumboのサイドプロジェクトHead Automaticaも今回ワープド初出場。2012年から暫くは活動を休止していたが2023年になり活動再開し新曲も発表。Darylの歌唱力とステージパフォーマンはそのままに、Glassjawとは異なりポップロック、インディロックなサウンド。元々Darylのヒップホップやブリットポップ好きに影響された楽曲がGlassjawにフィットしないことで始めたバンド。Glassjawは既にワープド出場経験があるものHead Automaticaは初めてのワープドになる。願わくばGlassjawの出演も欲しかったがHead Automaticaのステージングがワープドオーディエンスにどう受けるのか見てみたい。

WARPED TOUR 101:(初心者の方に為になるワープド攻略法)

 

日本でもワープドツアーが開催された事はありますが、今年のワープド復活に興味のある方、行こうか迷っている方、そして既にチケットを購入済で渡米を予定されている方、米ワープドツアーについてこれは知っておいた方が為になるというポイントをまとめてみました。

 

1. ワープド会場には早くに行くことをお勧めします。

公式サイトにも記載されていますがワープドツアーの開場時間は午前11時頃。そして最初のバンドは早ければ11時15分か30分には演奏を開始している場合もあります。管理人は南カリフォルニア州の会場にしか行った事はありませんが、ワープドのドキュメンタリー等を見ていても、全米どの会場も開場前には長蛇の列が出来ているという事がうかがえます。当日の出演タイムは、開場後に知ることになる為お目当てのバンドがトップバッターで出てくる事もあります。バンドの知名度等は一切関係ない出演タイムの為、数年前管理人がワープド会場に入る為外で待っているとAll Time Lowがトップバッターで出演したこともありました。ワープドに来る多くの来場者も本当に早くから会場の外で待っており、猛者等はその日の午前5-6時に会場へ到着する人も居ます。ですから、日本から来る方はなるべく徒歩(日本と違いTaxiやuBer等配車サービス等がどれ程正確に来てくれるか分からない、そして会場の外は恐らく酷い渋滞が予想されます)で会場へ行ける距離の宿泊先を決め、当日はなるべく早くに会場へ到着する事をお勧めします。

2.  ワープド会場に缶詰め3缶、携帯、5ドルの募金で通常とは別のエクスプレスラインに並ぶ事が出来ます。

ワープド会場前にはFeed Our Children Nowという恵まれない子供達に食べ物を支援する機関がテントを出しています。そこへ食べ物の缶詰3缶、5ドル、または要らなくなった携帯電話を寄付する事で会場に入る為のエクスプレスラインに並ぶ事が出来ます。開場後、先ずこのエクスプレスラインに並んでいる人達が優先で会場入りする事が出来ます。これは是非使った方が良いです。しかし、ワープドオーディエンスも全く同じ事を考えておりエクスプレスラインも長蛇になっている会場も多々あります。管理人が行った2018年には会場前に8時に着きましたが、既に長蛇の列が出来ており、エクスプレスラインを探していると何とこの長蛇の列がエクスプレスラインであり、良く見ると列に並んでいる全員が缶詰の入った袋を下げていたという経験があります。しかし一応優先的に会場入り出来る為使わない手は無いですね。

 

3. 水の入っていない空のボトル一本持参可能。

ワープド内には当たり前ですが食べ物や飲み物が売られています。しかし、水のボトルを自分で持参し水代(中で買うと会場によりますが3-4ドルが相場です)をフリーにすることが可能です。この「ボトル」というのは市販されているペットボトルのミネラルウォーターの事です。1Lのボトルです。日本では自販機で売っているミネラルウォーターのペットボトル(プラスチック)です。公式サイトに記載されていますが、「空のペットボトル」とある為宿泊先の近くにある雑貨店やスーパーで購入をお勧めします。ワープド会場内ではミネラルウォーターがフリーで振舞われており何時でも持参したペットボトル、ハイドレーションパック、会場内で購入できる飲料ボトルやカップ等に水を入れる事が可能です。

 

4.  ワープドの出演タイムが張り出されたら1-2ドルで出演タイムのコピーを購入する事が可能。

最初の出演バンドがプレイする前に上手く会場入り出来たら、出演タイムが張り出される会場の中央へ行く事をお勧めします。ここでは3つのやり方で出演タイムを得る事が出来ます。先ず一つ目は開場に配布されている白紙の用紙に自分の手書きで(ペンは持参する事が出来る)出演タイムやお目当てのバンドの出演タイムを書き込むやり方。少し時間は掛かります。二つ目は自分の持っている携帯でスケジュールを撮影し、写真を見ながらその日のスケジュールを立てる。しかし、このやり方だと写真を携帯に映し出しズームしてやっていく作業が必然をなってきます。そして三つ目、出演タイムの近くに必ずその日の全スケジュールが書かれているプリント用紙を売っている人が居ます。会場によりますが値段は一枚1-2ドルです。管理人は自分で書き込む時間が勿体ない事、その日の会場のステージの位置等を直ぐに把握したい等あるので短時間でスケジュールをゲットしたい、そして携帯にスケジュールの写真を取り込んで毎回毎回ズームしてやっていく作業が面倒と思っているので、スケジュール表を毎回購入しています。購入すれば一目でどのバンドが何時にどのステージに登場するかが分かり時間をつぶす事無く会場を探索し最初のバンドを見る事が出来るのです。1-2ドルでも高い!という方は上の二つのやり方でも問題なくその日を過ごせると思います。ワープドツアーはスマートフォン用のワープド公式Appを用意しておりダウンロードを勧めています。そのAppでその日のスケジュールを作れる機能があるのですが、管理人は数回試しましたが使い勝手が悪くAppでのスケジュールを立てる事を諦めた経験があります。

 

5. 7歳未満のお子様はフリーで入場可能

それぞれのご家庭でお子様の音楽ライブに行ける年齢は違っていると思いますが、もし自分の子供もワープドに連れて行きたいと思っている方、一人の子供(7歳未満)を親の入場チケット一枚で親子の入場可能となります。一応ワープドツアーは全年齢入場可能です。

 

6. 持ち込み可能リストはこちら。

公式サイトに記載されている持ち込み可能な物品のリストは

ー小さめのクリアバックパックやポーチ

ー空のミネラルウォーターのペットボトル、ハイドレーションパック(補給袋2つまでのもの、大きいパックは駄目)

ー折り畳み傘やレインコート

ー日焼け止めクリーム(スプレー缶タイプは駄目)

ーデジカメ、6インチ以下の小型ビデオキャム、GoPro、自撮り棒もOK。

ーミストファン

ーフェイスパウダー

ーサングラス、イヤープラグ

 

持ち込み可能なリストは記載されていますが、なるべく軽装でワープドツアーに行くことをお勧めします。会場にもよりますが、ワープドツアーとセキュリティの連携が上手く行っていない会場も多く、管理人は以前ゲートにいてセキュリティチェックを受けた際にペットボトルは禁止と言われ捨てられた事があります、ペットボトルの蓋を外していけ、デジカメも持ってくるな家に置いてこいと言われた事もあり、そういった場合(携帯に写した)持ち込み可能リストを見せてセキュリティの方を説得すれば大抵はOKされます。しかし、余計な物を持ち込まず、自分にとって必要最低限の荷物であればセキュリティのチェックに引っ掛かる事は先ず無いと思います。近年、セキュリティの強化をする場合も想定しておいて下さい。

 

上のポイント以外にもワープドツアーについて質問のある方はお気軽にご連絡下さい。

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